【ブランドコピー】コスチューム ナショナルのヴェネチア・シューズ工場に潜入! – エンニョ・カパサにインタビュー

ファッショニスタたちにとって、旬のトレンドを取り入れることはもちろん、自分だけのこだわりの「イットアイテム」を持つことは大切なことなかでも靴は、コーディネートの勝敗を決めるポイントになってくれる長年を共にできる靴は、その愛着とともに、あなたらしさを引き出してくれるマストな存在だ

CoSTUME NATIONAL 2013春夏コレクション シューズ

そこで今回、毎年パリファッションウィークにてコレクションを発表するイタリアのブランド「コスチューム ナショナル(CoSTUME NATIONAL)」のレザーシューズの魅力に迫りたい

2011年にブランドは東京青山に旗艦店と、現代アート、デザインなどの発信拠点「CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex(通称=CNAC)」をオープンし、すでに注目されているが、店頭に並ぶスタイリッシュな靴たちの裏側で、一体どのようにして、そのクオリティーを築いているのだろうか

実際にイタリア、ヴェネチアの工場に訪問し、その秘密を探るとともに、デザイナーであるエンニョカパサにインタビューを行った

 

昔ながらの方法で仕上げられるこだわりの靴たち

美しい海の景色に囲まれたヴェネチアから、車で約40分たくさんの工場が立ち並ぶ場所にたどり着いたここにコスチューム ナショナルの工場がある

工場につくとファクトリーディレクターであるガブリエレボルガトが、笑顔で出迎えてくれ、工場見学がスタートした

工場ではまず、デザイナーのアイディアから仕上がった靴の型をもとに、たくさんのパーツの型紙を作成するこの型紙に合わせ、丁寧にカットされたレザーたちは、靴の型にあわせて組み合わされていくのだその後ソールがつけられ、しっかりと美しい形がキープできるように、48時間寝かせられるそしてレザーの最高の質感を出すためにクリームを塗り、仕上げを行うこうしてこの工場では1日に約200足もの靴が完成するという

しかしその工程の多さに驚かされる「ここにはラグジュアリーな靴を製造する工場はたくさんありますが、昔ながらの方法で仕上げる工場はここだけです」とガブリエレは話す

 

一つひとつの機械を見せてもらった複雑な大きな機械は、はじめにレザーを靴の型にフィットさせるためのもの種類にあわせて様々な形に合わせることができるここにはこのような機械がたくさんあるのだが、それに加えて作業員の人たちの熟練された技術がなければ、完璧な靴を仕上げることができない

たとえばソールを付けたあとの強化を行う作業機械につながれた鉄のスティックで、ソールに圧力をかけ補強するこれをやりすぎてしまうとソールを痛めてしまう可能性があり、これまでのプロセスが台無しになってしまうとてもデリケートな作業なのだ

ガブリエレは工場で扱うレザーについて教えてくれた
「私たちはベジタブルレザーを使っていますこのレザーを扱うことは非常に難しく、他の工場ではみられません唯一ここだけで扱っているもので、コスチューム ナショナルのDNAと呼べるものですとてもナチュラルで、その質感は使ううちに変化していくのです」

化学物質を使用せず、植物のタンニンでなめすベジタブルレザーには独特の堅さがあり、作業しづらいといわれている完成前の真新しいベジタブルレザーのシューズたちは、マットな質感が上品な雰囲気だが、その魅力も履く人によって、またそれぞれちがった風味を出すのだ

たくさんあるコスチューム ナショナルのシューズコレクションの中で、どの靴の製造がいちばん難しいのか尋ねてみたすると、ガブリエレは実際にそのアイテムを見せてくれた

ガブリエレ:「この靴はまず先にヒールをつけ、その後にレザーを、ヒールを包むようにフィットさせますそれからプラット(靴底)をつけ、つま先にまた異なるレザーを重ねます仕上げを行ったあと最後にソールをつけて完成させます」

通常、型にレザーを合わせた上から、ヒールを取り付けるのだが、この靴は手順がまったく異なる上に、さらにつま先にも別のレザーをあしらっているヒールとボディの境目がなく、ブラックのレザーがアクセントとなったシューズは、なめらかな革の質感が充分に活かされた特別な一足洗練された魅力のこの靴は、複雑な工程を経てようやくひとつのアイテムとして完成するのだ