【デュベティカ】ジル・サンダー 2012-13年秋冬コレクション – ラフ・シモンズのフィナーレを飾る、繊細な美の世界

2012年2月25日、ミラノファッションウィークでジルサンダー(Jil Sander)が2012-13年秋冬コレクションを発表した2005年よりデザイナーを務めていたラフシモンズのラストコレクションとなった今季、色とりどりの花々が飾られたランウェイを舞台に、ペールピンクのビックシルエットコートがショーのスタートを告げた

ピンク、ブルー、ラベンダー、イエロー、ベージュの透明感のあるペールトーンがキーカラー装飾や留め具までもがそぎ落とされたコートは、シンプルでクリーンな雰囲気の中に、裏地のカラーがアクセントとして見えるよう計算されつくしたカッティングが光る

控えめに透けるドレスは少女ような純真さと洗練された大人の女性の雰囲気を併せ持つシースルーのトップスにコーディネートされたロングフレアのスカートは、素材の質感とアシンメトリーで立体的なフォルムによってアートピースのような美しさ素材とシルエットに対する、ラフならではの絶妙なバランス感覚がなせる業だ鮮やかなレッド、シルバーやグリッターで輝くドレスは華やかにラストは光沢のあるハイテク素材の黒のドレスで締めくくられた

フィナーレで、スタンディングオベーションで迎えられたラフシモンズ鳴り止まない拍手の中、二度もランウェイに登場した彼の目には涙が浮かんでいたラフとジルサンダーとの幸せなマリアージュは、感動の中に幕を閉じた